販売形態は大きく分譲物件と仲介物件に分かれます。これによって購入の流れが少し変わります。まずは、物件の販売形態を確認しましょう。
分譲物件
売主である不動産会社から直接購入する物件です。(売主から販売代理を受託した不動産会社を窓口に購入することもあります。)一般的に新築マンションや販売戸数の多い新築一戸建ては分譲物件となります。
仲介物件
売主から仲介の依頼を受けた不動産会社を通して購入する物件です。一般的に販売戸数の少ない新築一戸建てや中古物件は仲介物件となります。仲介物件の場合は、不動産会社への仲介手数料が発生することがありますので、事前に確認が必要です。
仲介物件の購入の流れ
購入の意思表示
購入したい物件が決まったら、まず正式な「購入の意思表示」をします。
分譲物件では「購入申込書」、中古物件では「買付証明書」と呼ばれる書類に、購入条件などを明記して記名押印します。分譲物件の場合には、この際に数万円~10万円程度の「申込金」が必要な場合があります。申込金は契約後、売買代金に充当されますので、購入意思に間違いがないかどうかの確認のためと理解しておけばよいでしょう。
中古物件の場合は、申込金等の授受はおこなわれません。「買付証明書」に記載された条件で売主が売却する意思があれば「売渡承諾書」という書面が発行され、売買の条件が合意されたことになります。もし条件が合わなければ、不動産会社を介して交渉することになります。
売主、買主が売買の条件を合意したら、住宅ローンの事前審査へと進みます。
事前審査とは、正式なローン申込みに先立って、希望する住宅ローンの利用が可能かどうかを金融機関に打診することです。必要書類は下表を参考に、金融機関に確認してください。必要書類がきちんと揃っていれば、早ければ即日、通常は数日で審査結果が出て、希望する借入が可能かどうか分かります。事前審査に費用はかかりません。
■住宅ローン事前審査の必要書類 (コピー可)
サラリーマンの方 | 自営業者の方 | |
収入を確認する書類 | □前年の源泉徴収票または課税証明書□勤務先の情報(資本金、従業員数等) | □確定申告書(直近3年分)□会社の決算書(直近3年分) |
物件の資料 | □販売図面 等 (所在地、面積、間取りなどがわかるもの) | |
本人確認書類 | □免許証 パスポート 等 | |
審査申込書類 | □審査申込書 □認印 | |
借入に関する情報 | □借入金額 □返済年数 □金利タイプ |
収入関連の書類は取得に時間がかかるものもありますし、書類不備があるとそれが解消されるまで審査がスタートしませんから、契約がどんどん遅くなってしまいます。そこで最近では、契約までの流れをスムースに進めるために、買付証明書の提出前に事前審査をおこなうことも多くなっています。売主によっては、事前審査済みであることを買付証明書の条件としていることもありますので、できれば内見の段階でいくつかの金融機関に事前審査を申し込んでおいたほうがいいでしょう。詳しくは不動産会社の担当に相談してみることをおすすめします。
住宅ローンの事前審査を経て、問題なく借入ができることが確認できたらいよいよ契約です。契約は、売主・買主それぞれの最終的な意思確認の場ですので、流れとポイントをしっかり押さえておきましょう。具体的な内容は、以下の章で詳しく説明します。